内部標準法 |
分析成分のレスポンスと内部標準物質とのレスポンス比、および濃度比により検量線を作成することで、検出機器の測定時の出力変動や、注入誤差等を相殺した定量を行うことができます。
■内部標準法による検量線の作成手順
内部標準法による検量線は、以下の手順で作成します。
@ 同定テーブルの設定
同定テーブルの設定方法は、同定テーブルの設定を参照してください。
内部標準物質は、同定テーブルで指定されます。
内部標準物質となるピークは、ISTDの列のチェックボックスにチェックマークを入れます。
ISTD IDは、内部標準物質の識別番号です。
複数の内部標準物質を設定した場合は、成分がどの内部標準物質に属するかを、識別番号により指定します。
ISTD ID=*** と設定すると、指定された成分はどの内部標準物質にも属さないので外部標準法で定量されます。
下記の同定テーブルの設定では、
成分1-1と成分2-1は、内部標準物質1に属し、成分1-2と成分2-2は内部標準物質2に属します。
また、成分3は、どの内部標準物質にも属さないため、外部標準法により定量されます。
A 検量線の作成
内部標準法による検量線の作成手順は、外部標準法による検量線の作成方法と同じです。
標準試料のピーク情報を読み込み、内部標準物質と各成分の濃度を入力した後 【検量線作成】ボタンを押して検量線を作成してください。
検量線の横軸・縦軸の表示は、それぞれ濃度比、面積比となります。
B 定量計算の実行
各成分の検量線を作成後、【一括解析】ボタンを押すと、未知試料の解析を実行し、定量結果を結果表示ウインドウに表示します。
未知試料の濃度は、各成分のレスポンスを、標準試料のレスポンスで割り算した値を検量線でキャリブレーションして、内部標準物資の濃度でかけた値となります。
未知試料の内部標準点の濃度は、最後の標準試料の内部標準物質の濃度を使って計算します。
上記の例では、3番の標準試料の内部標準物質の濃度を使用します。
内部標準物質の濃度は<>で囲まれて表示されます。
■未知試料の内部標準物質濃度設定
未知試料の標準物質濃度が、標準試料の標準物質濃度と異なる場合は、以下の方法で、標準物質濃度を設定します。
[オプション]−[サンプル情報]コマンドを実行して、サンプル情報ウインドウを開きます。
ユーザ設定項目に以下のレベルを追加します。ISTD_で始まる項目名を追加します。
ISTD_1は、内部標準物質1を表す識別ラベルです。。
ISTD_2は、内部標準物質2を表す識別ラベルです。
設定値には、それぞれの内部標準物質の濃度を入力します。
上記の例では、解析画面に表示されている未知試料サンプルにおいて、内部標準物質1と内部標準物質2の濃度を、それぞれ、2.2、3.2に設定してあります。
解析チャンネルが複数個存在するときは、内部標準物質番号の次に解析チャンネル番号を指定してください。
たとえば解析チャンネル番号=2の標準物質の濃度は、ISTD_1_2 となります。
解析チャンネル番号は、ツールバーの解析チャンネルのドロップダウンリストの上からの表示順に対応しています。
内部標準物質番号が省略されている場合は、内部標準番号1となります。
解析チャンネル番号が省略されている場合は、解析チャンネル番号は1となります。
設定した内部標準物質のラベルが、標準物質として識別できない場合や、濃度の入力が数値として認識できない場合は、最後の標準試料の内部標準物質の濃度が採用されます。
分析シーケンスの未知試料のユーザ設定項目に、標準試料の濃度を追加して、タイトル名を標準試料の識別ラベルとします。
上記の設定で連続分析を実行すると、未知試料1は、内部標準物質1の濃度を2,2、内部標準物質2の濃度を3.3として、未知試料の定量計算を実行します。